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3   アラジール(alagille)症候群と診断が下るまで
 真翔は平成16年10月18日に我が家の三男として生まれました。生まれたときは少し小さ目の2684gで生まれ、その後一ヶ月検診なども何の問題もなく、本当に普通の生活を送っていました。
 
 12月に入り寒さと乾燥のせいか少し唇がきれることがありました。しかし、それ程気に留める事もなく。後日、咳がでて便が少しゆるかったので近所のかかりつけの個人病院へと行きました。便も少し白く先生の診断はロタウイルス(白っぽい下痢便が特徴で生後6ヶ月から2歳の乳幼児に多く、冬から春先にかけて流行ります。症状としては激しい嘔吐と熱が出て、白っぽく水っぽい下痢をします。)ではないかと言う診断でした。その日は薬をもらい家に帰りました。
 数日後の日曜日、少量の鼻血が出、便にも少し赤茶色の塊が出ていたので慌てて救急病院へ向かいました。そこでの診断もロタウイルス。鼻血はただの鼻血という診断。「鼻血が気になるのなら救急の耳鼻科へ行ったらどうですか?」と、あっさり言われてしまいました。しかし、親としてはやはり気になりその晩救急の耳鼻科へと連れて行きました。そこでの診断は、やはりただの鼻血という診断。私達も少しホットしその後帰宅しました。
 翌日の朝、念のためにかかりつけの個人病院へ行き昨日あったことを全て話しました。念のため採血検査をしていただきましたが、白血球の数値が少し高いが特に何も異常がないという事でした。ホットして帰宅したのですが、その晩採血をしたところの血がまだ完全に止まっておらず、慌ててかかりつけの病院へと連絡、至急来てくださいとのことでした。病院へいき簡単な診察の後、念のために国立病院へ検査入院をすることになりました。
 
 一晩入院をし診断が下りました。医師の話では胆嚢が見えないということで、恐らく胆道閉鎖ではないかということでした。聞いたことのない病気でしたが、胆嚢が見えないということで大変な病気ということは想像がつきました。しかし、あまりにも突然のことで信じられず、また信じたくなかったのか「大したことはない大丈夫。間違いのはず・・・。」と、不思議とそれ程落ち込むことはなかったです。
 胆道閉鎖とは、肝臓と腸の間にある胆嚢・胆管がない。もしくは、閉鎖しており肝臓でつくられた胆汁が腸へと流れ込まないという病気です。胆汁が流れないことによって脂肪を分解することができず、脂肪からしかつくることが出来ないビタミンKが不足しているとのことでした。ビタミンKが不足していると血を止める働きができなく、今回のように鼻血が止まらなどの症状がでるようです。
 胆道閉鎖の場合、早くに手術を行ったほうが好ましいということで、医療の整った大学病院へと移ることになりました。
 
 病院を移り胆道閉鎖ならすぐに手術を行わなければいけないということで、まず胆道閉鎖かをきっちりと見極める検査をすることになりました。
 採血検査やエコー、後は鼻から腸まで管を通し胆汁が流れているのかを直接みる検査を行いました。生後2ヶ月の小さな身体には本当にどれも辛い検査です。週2回の採血も血管が細くなかなか血が採れないので、手や足など色々な場所で血を採られ手足が紫色に変色していました。管を通す検査では、丸一日 水・ミルクが飲めず、空腹で夜も眠れず一日中本当に大泣きでした。
 年末から入院をし、病院の一部施設も正月休みということで詳しい検査も出来ず、胆道閉鎖の断定もできず、病名もはっきりしないまま正月を過ごすことになりました。生まれて初めての正月。家族5人がバラバラだったのが本当に残念です。
 大晦日の晩、年が明けてからだったかもしれませんが、私とお兄ちゃん達二人とで初詣に行きました。祈ることは、「今年も1年家族仲良く、病気も怪我もしないですごせますように!!!」 「真翔が無事でありますように!!!」
 
 年が明けてこのまま外からの検査ではなかなか診断がくだらないという事で、腹鏡検査をすることになりました。腹鏡検査とは、お腹を3〜4箇所程切り小型のカメラや管を入れ造影剤を流し、胆汁の流れ・胆管の有無を調べる簡単な手術です。当然、胆道閉鎖、胆管などに問題があった場合は、そのまま胆管を切除し肝臓と腸をつなぐ手術をすることになります。
 検査を行うとなって、真翔が少し貧血気味だったので輸血をしなくてはいけないという話が出てきました。輸血をするとなるとやはり今問題となっている血輸病(肝炎やHIV感染)などの話もでてきます。しかし、その内容を承諾しないことには先に進むことが出来ないのが現状です。入院中、薬の使用など多くの場面でこのような選択に迫られます。病気のことだけを心配するのではなく、検査や薬の使用などさまざまなリスクと隣りあわせで、親として本当に辛い・不安な選択をしなければなりませんでした。
 
 約2時間後検査の結果がでました。胆管に胆汁がきっちり流れており、胆道閉鎖ではないという診断でした。ひとまず、妻も私もほっとしました。手術室から出てきた真翔は、いくつものチューブに繋がれ、身体には大きな4つのガーゼを着けられて出てきました。まだ麻酔が切れていないのかボーっとした表情でした。その後重症室で担当の先生から手術の詳しな結果を聞きました。
 今回の検査で胆道閉鎖の疑いは晴れましたが、その後便の白さも回復せず黄疸の数値も高いまま。乳児肝炎など5つ程の疑わしい病気があがっているものの病名がわからないまま約2週間が過ぎました。
 詳しく診断を行うために、肝生検を行うことになりました。 肝生検とは長い注射針みたいなものを肋骨の隙間から肝臓に刺し、肝細胞を取ってくるという検査です。検査といっても全身麻酔をかけられるので、やはり心配はつきものです。その他心臓のエコー検査、レントゲン検査を行いました。
 
 それから二日後検査の結果がでました。結果、肝臓内の肝細胞その中の胆管が少ない。心臓の動脈が細い(肺動脈狭窄)。背骨に黒い筋がみえる(脊椎蝶形)という診断を受けました。病名はアラジール症候群。 全く聞いたこともない病名でした。色々買い集めた病気の本などにも載っていない珍しい病気。病気の深刻さ大変さが全くわかりません。 正直、病名を聞いたときの感想は覚えていません。 
 病名を聞いて初めに、治る病気なのかを聞きました。 先生の返事は「治る病気ではないです。しかし、病気の症状によっては今後もある程度普通の生活ができる。」と、いうものでした。すごく複雑な心境でした。「 症状によれば今後肝臓移植などを行わなければならない。」とも説明を受けました。 今後の成長の過程をみていき、一つ一つの問題を解決していかなければならないということです。 親として、症状が軽く今後普通の生活を送れるようにと、ただ願うだけでした。
 
 
 
 
 






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