その後、病名がわかり治療をすることになりました。といっても、ただ毎日薬を打つだけでした。
使用する薬は、ステロイドなどの副作用(免疫力の低下や骨が弱くなったり様々副作用が起こる可能性があります)が心配となる薬とビタミン類など。その後、2ヶ月半程の入院でようやく退院許可がおりました。
とは言っても、毎日3回薬を飲み続け、定期的に病院へ検査に行かなければならない日々です。でも、本当に家族が待ちわびた退院でした。
入院中、上のお兄ちゃんは、突然お母さんと弟がいなくなって本当に毎日泣きっぱなしでした。遊んでいても、急に泣き出してしまったり。少し不安そうで、どこか寂しそうな顔が毎日続いていました。そんな顔、姿を見ると親としても本当に辛く寂しい日々でした。どうしたら良いのか?何をしたらいいのか?早く真翔を帰してくれと思う毎日でした。
退院後、すぐに水疱瘡にかかり国立病院に1週間程入院しましたが、今は家族仲良く生活しています。
しかし、真翔の体調が良くなってきているわけではありません。
身体も同じ月齢の子に比べれば小さく、黄疸の数値も安定はしてきているものの6.9 (平均は0.3~1.4 入院中最高で16もありました)痒みのせいで身体をかきむしりシーツはいつも血まみれ、眠れない毎日が続きます。
総コレステロール値も1,000を超え1647まで上がりました。(成人平均200~220)さすがに数値が良くないので肝臓移植の話もでてきました。肝臓移植をし100%体調が良くなるのであれば、肝臓移植もします。しかし実際は、多くのリスクを伴い必ずしも移植をし体調が良くなるとは限りません。 最終的に移植をしなければならないとわかっているのであれば、真翔のこと、苦しみを考えて早めに移植をした方が良いのだとは思います。しかし、親としては何とか自力で体調が良くなってもらいたいと願う気持ちもあります。
移植をするのであればドナーはどうする?当たり前の疑問です。担当の先生からは「必ずしも親がドナーになる必要はない。リスクがつきものなので。」とは、言っていただいていますが、実際日本では脳死移植はまだ例が少なく、「他人の肝臓よりかは、やはり自分の肝臓をあげたい」と、思うのが親の心理です。しかし、ドナーや真翔にもリスクは伴います。考えたくはないですが、真翔やドナーが今後体調を崩したらどうするのか?移植をしても真翔の体調が良くならなければ、ドナーに負担をかけるだけ?色々な不安があります。
早急に移植をしなければならないと迫られれば、こういった不安も考えず移植に踏み切ることが出来るのかも知れませんが、 真翔の様に移植をした方が良いのか、それとも自力で良くなってくれるのかの判断が難しい場合、日々不安は募って行きます。
移植後のことに関しても色々と担当医の先生からお話を聞かせていただいています。真翔の病気「アラジール症候群」は身体全体の病気です。肝臓移植をしたからといって全ての症状が治るわけではありません。移植をすれば黄疸での痒みや栄養吸収がよくなり成長障害も少しはよくなると思われます。しかし、肺動脈狭窄や血管が細くなる傾向、脊椎蝶形による成長障害、知能障害までは肝臓が良くなったからといって治るわけではありません。素人考えで移植の様な大きな手術をすれば、リスクは伴うものの病状が治ると考えるところですが、実際はそうあまくないようです。
現段階では、まだ正式に真翔が移植すると決まったわけではありません。これからも多くの選択に迫られたり、色々なことが起きると思いますが、家族みんなで頑張っていきたいと思います。